【新唐人2013年1月14日付ニュース】中国広東省の週刊紙“南方週末”の新年祝辞が当局の指示で改ざんされた事件は世界中の注目を集めました。各国のメディアと中国大陸の民衆が次々と声援を送る状況下で、中国共産党広東省委員会の胡春華(こ しゅんか)書記が事件の仲裁に出ました。胡氏は後から関係者を処分しないなどと承諾したそうです。一方、メディア関係者は、当局と“南方週末”の間で、秘密協議を交わされたと見ています。
“南方週末“の新年祝辞の改ざん事件が暴露されると、世界中から注目され、各国メディアが大々的に報道。アメリカの国務省も中国のメディア検閲制度を批判し、南方週末への支持を表明しました。
また、中国大陸の民衆も自発的に南方新聞グループ会社の門前に集まり、中国当局の報道検閲に抗議するとともに、従業員によるストを支持し、声援を送りました。
“南方週末事件”の事態の変化に対し、ロイター社は広東省委員会関係者からの情報を引用し、胡春華書記が事態収束のための解決策を提案したと報道。胡氏は抗議に参加した記者らを後から処分しないことを承諾したそうです。
しかし、胡春華書記と“南方週末”の間で交わした協議を、中国当局は外部に公表していません。アメリカの中国語雑誌“中国事務”の編集長・伍凡(ごぼん)さんは、両者の間で秘密協議が交わされた可能性があるとの見方を示しました。
「中国事務」編集長 伍凡さん
「これは今社会で起きている“南方週末“を支持する声やさらには米国務省のコメント、世界各国の主要メディアが発表した輿論や社説などの抗議に対処するためです。今の情勢下において、共産党は一歩下がり、おそらく機が熟したときに二歩進むのでしょう。これはあり得ることです」
香港「開放」誌編集員 蔡咏梅さん
「『南方週末』のことは明らかです。もし妥協しなければ、選択肢は二つです。一つは鎮圧、もう一つは、もし鎮圧しなければ、この事件はますます大きくなり、彼らの言い方で言えば、政治事件に変わるのです。だから、今 鎮圧しないのなら、それは妥協なのです」
情報によると、胡春華書記は広東省委員会宣伝部、庹震(たく しん)部長の退任を示唆。しかし政府サイドの面子のため、すぐに離職させることはないと示唆したそうです。関連協議ではまた、南方週末の黄燦(こうさん)編集長を適切な時期に更迭させると承諾したそうです。南方週末の1月10日発行号は、通常とおり発行されました。
南方週末事件発生後、我々は南方週末の記者に電話取材を行いました。
「南方週末」記者
「私の電話は監視されています」
新唐人記者
「話しづらいということですね」
「南方週末」記者
「ええ」
伍凡さんは南方週末のスタッフに対し、共産党を信用しないようアドバイスします。たとえ胡春華書記が協議を守りたいと思っても、一旦状況が変わり中央政府が処分を命じた場合、どうすることもできないからです。胡氏と共産党は一体であるからです。
「中国事務」編集長 伍凡さん
「中共の承諾は信じません。あまりにも多くの歴史的教訓があるからです。今日『白『』と言っても、明日は『黒』だと言い、全く認めないのです。歴史上あまりにも多かったのです。今回も後から報復するか否かみな様子を見ています」
中国共産党の厳しいコントロール下に置かれていながら、南方週末の編集者たちは、まだ果敢な言論を維持しています。香港“開放”誌の編集者・蔡咏梅さんは、南方週末の記者はやはり勇敢だと称えます。
一方伍凡さんは、現在、社会の広範囲で要求されているのは言論の自由、中央宣伝部の解散、憲政の実現であり、さらには“共産党の解散”も叫ばれていると述べます。これらはすでに、“南方週末事件”自体の問題を超えているので、共産党は事態のさらなる拡大で収拾がつかなくなることを恐れているのです。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)